ラボグロウンダイヤモンドのメリットとデメリット

基本的には良い点が多いラボグロウンダイヤモンドですが、購入の際に知っておきたい注意点もあります。ここでは、主なメリットとデメリットを整理してご紹介します。

メリット① なんといっても価格

かつては天然ダイヤモンドより高価だったラボグロウンダイヤモンドも、現在では製造技術の進歩により価格が大幅に下がりました。現在はおおよそ天然ダイヤモンドの1/2~1/4程度で購入できます。特に1カラット以上のサイズでは価格差が顕著で、アメリカでは同じ予算で約2倍の大きさを選ぶ人も増えています。

メリット② インクルージョン(内包物)が少ない

天然ダイヤモンドは地中で生成される過程で不純物が混ざることがありますが、ラボグロウンダイヤモンドは人工的に不純物を除いた環境で生成されるため、透明度(Clarity)が高く、インクルージョンが少ないのが特徴です。

メリット③ 均一な品質を大量に作ることができる

製造条件を統一できるため、同じ品質・カラー・クラリティのダイヤモンドを安定して生産できます。たとえばピアスの左右など、均一な品質を揃えたい場合にも最適です。

メリット④ エシカル(倫理的)な選択

天然ダイヤモンドの採掘には、環境破壊や児童労働、紛争資金への利用など、社会的課題が指摘されてきました。ラボで生成されるラボグロウンダイヤモンドは、こうした問題を回避できるため、「ギルトフリーダイヤモンド」とも呼ばれています。

デメリット① 鑑定書に「ラボグロウン」と明記される

ラボグロウンダイヤモンドにもGIAやIGIなどの鑑定書が発行されますが、そこには必ず「LAB GROWN」の表記が入ります。評価基準(4C)は天然と同じですが、人工的に生成されたものであることが明示されます。

デメリット② 再販価格が不透明

ラボグロウンダイヤモンドは市場に登場してからまだ歴史が浅く、再販価格や買取可否が安定していません。投資や資産価値としての側面では、天然ダイヤモンドよりも不確定な部分があります。
また、ラボグロウンダイヤモンドは人工的に再生産できるため希少性がなく、資産としての価値(希少価値)を持たないことも理解しておく必要があります。
ただし、ラボグロウンの普及により、天然ダイヤモンドの再販価格にも影響が及ぶといわれています。

デメリット③ 供給がまだ安定していない

世界的に需要が急拡大しているため、サイズや品質の指定によっては在庫が少なく、すぐに入手できないこともあります。ただし、2カラット以下の一般的なサイズであれば、2〜3か月程度で入手可能なケースがほとんどです。

まとめ

人が所有するものすべてに、資産性があるわけではありません。
たとえば、土地には資産性がありますが、その上に建つ建物は年月とともに価値が減少します。
車もまた、購入額より高く売れるケースはまれで、ごく一部の車種に限られます。
つまり、私たちは「資産としての価値」だけでモノを選んでいるわけではないのです。

ラボグロウンダイヤモンドも同様に、資産としての希少性は持ちません。
しかしそれは、人生を楽しむための新しい価値を持つダイヤモンドであるということです。
自分らしいスタイルや考え方に共感し、納得して選ぶことで、その価値はむしろ深まります。

そして、ラボグロウンダイヤモンドは天然ダイヤモンドと同じ鉱物。
時間とともに劣化することはなく、永遠にその輝きを保ち続けます。
それはやがて、次の世代へと受け継ぐことのできる「想いの輝き」ともなり得るのです。

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