ラボグロウンダイヤモンドとは
ラボグロウンダイヤモンドとは
「ラボグロウンダイヤモンド」は、実験室(ラボ)で合成されたダイヤモンドです。化学的・物理的・光学的性質は天然ダイヤモンドと同一(=同じ鉱物:炭素の結晶)で、モアッサナイトやキュービックジルコニアのような“ダイヤ類似石”とは別物です。
歴史のダイジェスト
1950年代に小粒の工業用から始まり、2010年代半ばに宝石品質が安定。2018年に米FTCが定義を改訂、2019年にはGIAなどが鑑定書を発行するようになりました。詳しくは下記の記事へ。
天然ダイヤとの関係
違いは生成プロセスだけで、どちらもダイヤモンド。同時に、モアッサナイトやキュービックジルコニアは別鉱物で、ダイヤの代替石(シミュラント)です。
分類のちがい(シンプル比較)
| 天然ダイヤモンド | ラボグロウン | モアッサナイト | キュービックジルコニア | |
|---|---|---|---|---|
| 鉱物分類 | ダイヤモンド | ダイヤモンド | ダイヤモンド類似石 | ダイヤモンド類似石 |
| 鑑定書の発行 | あり | あり | 基本なし | 基本なし |
成分・結晶構造のちがい
ラボグロウンは天然と同じ炭素(C)の単結晶で、モース硬度10・屈折率2.42・分散0.044などの数値も同一。モアッサナイト(SiC)やキュービックジルコニア(ZrO2)は物性が異なるため、輝き方や電気伝導性などで識別できます。

| 同じ物質 | 違う物質 | |||
|---|---|---|---|---|
天然ダイヤモンド
|
ラボグロウン
|
キュービックジルコニア
|
モアッサナイト
|
|
| 化学組成 | C | C | ZrO2 | SiC |
| 結晶系 | 等軸 | 等軸 | 等軸 | 六方 |
| モース硬度 | 10 | 10 | 約8.25 | 約9.25 |
| 屈折率 | 2.42 | 2.42 | 約2.16 | 約2.68–2.69 |
| 分散 | 0.044 | 0.044 | 0.060 | 0.104 |
鑑定書と識別について
- ラボグロウンも天然と同様に、GIA・IGI などの鑑定書発行が可能です。
- 見た目は天然と同一のため、識別には専門機器やスペクトル分析を用います。
- 多くのラボグロウンには、ガードル部などにレーザー刻印でIDや“LABGROWN”表記が入ります。