ダイヤモンドの蛍光性 ― 誤解と真実をめぐる再発見

ダイヤモンドの蛍光性 ― 誤解と真実をめぐる再発見

ダイヤモンドを選ぶとき、多くの人が気にするのは「4C」。けれども鑑定書にはもうひとつ、多くの人を迷わせる項目が記されています。――蛍光性(Fluorescence)。

市場では「蛍光が強いと価値が下がる」と言われがちです。しかし、研究機関の調査や現場の声を重ね合わせると、その見方は大きく揺らいでいきます。

科学が語る事実

ダイヤモンドの蛍光性は、窒素原子が結晶構造に取り込まれることで生じます。この「窒素を含む」性質を持つダイヤモンドはⅠ型と分類され、天然ダイヤモンドの大多数を占めます。一方で、窒素をほとんど含まないⅡ型はまれで、むしろラボグロウン(合成)ダイヤに多く見られるタイプです。

つまり、蛍光性があること自体が「その石が天然である」ひとつの証しになるのです。合成技術が発達する時代だからこそ、これは見逃せないポイントといえます。

現場の鑑定士の声

「蛍光が強い石の中でも、外観が損なわれるのは少数派。むしろ青い光が黄色味を補正して、きれいに見えることが多い。かつては敬遠されましたが、今は“天然の証”として見直されています」

「黄色と青が補色関係にあるので、蛍光がプラスに働くことがあります。蛍光性は天然かどうかを見極める要因のひとつ。むしろ個性として評価して良いと思います」

科学と現場、双方の視点が一致していることがわかります。

蛍光性が語るもの

蛍光性は、地球が数十億年の時をかけて育んだ証。それは単なる「欠点」ではなく、天然の軌跡を物語る指紋です。

市場では依然として価格が抑えられる傾向がありますが、それは知る人にとっての賢い選択肢。誤解にとらわれず、自ら学び、心に響くかどうか――そこに真の価値が宿ります。

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